三枝克之 / CAFE UNIZON

誰もがチムドンドンする(心も体も沸き立つ)歌を持つなんて、やはりここは「音楽王国」。

三枝克之 / CAFE UNIZON

沖縄に帰って来たなぁ〜って思う瞬間

着陸間際の飛行機の窓から見えるサンゴ礁のエメラルドグリーンの海。
飛行機から降りて歩く、搭乗口通路に並ぶ蘭の花の匂い。
空港ターミナルビルのドアを開けて外に出たときに感じる、じっとり身体にまとわりつくような暑さ。
空港出口で迎えの車やバス、タクシーを待つ人々の「個」のはっきりした平たくない顔。

未来に残したい沖縄は?

文化も自然も風景も生活も習俗も、日本化されていない「琉球的独自性」を持ち続ける場所。
その「琉球的独自性」を持ちながら、東アジア、東南アジア、太平洋の島々などと積極的にヒト、モノ、文化が行き交い、チャンプルー(渾然一体)することで「琉球的独自性」を更新し続けていく場所。子どもが自然と一体となって過ごすことができ、太古からの先人の叡智に触れられる場所。いうまでもなくその前提として、島が永遠に平和であること。その尊さをつねに感じ、考え、世界に発信できること。

推薦するお店や場所、その理由

安里の居酒屋「遊び処 永楽」は、定番化、ショー化されていない、暮らしと一体となった沖縄民謡の楽しさを味わえる、いまや希少なお店。いつとはなし、誰とはなしに、三線が弾かれ、太鼓が叩かれ、歌が始まる。昔はこういうタイプのお店ばかりだったのですが・・・。

国頭村東海岸の安波、安田、楚洲、奥などの集落。それらを抱くヤンバルの森と海。沖縄本島で那覇からもっとも遠いこのエリアは、沖縄の原風景が垣間見える。隠れビーチに遊び、ヤンバルクイナに遭いたいと森を歩き、沢や滝で涼を得る。そんな1日のあとに飲む「安田協同売店」の100円の自家焙煎コーヒーが絶品!

沖縄に住んでいる時間

15年目です。

好きな曲リスト

「唐船ドーイ」
赤ん坊から100歳のおじぃ、おばぁまで、約150万人の沖縄県民すべてをカチャーシーで踊らせるキラーチューン。その歌のパワーは、ブルース・スプリングスティーンのライブ最後の「Twist And Shout」に匹敵する。そんな誰もがチムドンドンする(心も体も沸き立つ)歌を持つなんて、やはりここは「音楽王国」。

「永良部子守唄」
母の生まれ島の民謡。初代ネーネーズもカバーしていた。メロディーラインが美しく、島自体が持つ母性のような安らぎを感じる。幼少時にこの曲を聞きながら育ったということはないのだが、死ぬときはこの曲に送られると、母胎回帰できそうな気がする。

okinawa5-3

Profile

三枝克之 53歳 男 妻と娘二人(ともに高校生) 15年目
文筆家、著作者、編集者。カフェユニゾン店主。オフィスユニゾン主宰。1964年兵庫県生まれ。レコード会社(東京)、出版社(京都)での勤務を経て独立。2003年より沖縄県北中城村在住。2005年に宜野湾市に「カフェユニゾン」をオープン。
編集者として、ベストセラー&ロングセラーの『空の名前』『宙の名前』『色の名前』(角川書店)、宮﨑あおい主演で映画化された『初恋』(リトルモア)ほか、手がけた書籍多数。自著に『恋ノウタ』(角川文庫)、『月のオデッセイ』(リトルモア)などがある。


フリーダム・ディクショナリー
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