他人の・顔を貸せ 第5回

お元気ですか?私は今富山にいます。富山でこの原稿を書いています。
何故富山なのか?それは、舞台「鎌塚氏 腹におさめる」という舞台のツアー中ということなのです。富山。初めて訪れました。いいところです。今、ホテルの窓のカーテンをザッっと開けましたら、目の前に「なに山」なのでしょうか?とにかく「山」が見えます。「山」が連なっております。向こうにはずっと「山」です。「山」ばっかりです。そうか。山が豊富にあるというので、「富山」なんでしょうか。多分違いますね。まあ、とにかくいい景色です。「富山」と言えば、「黒部ダム」です。7年の歳月と延べ1000万人の努力により昭和38年に完成した日本最大のダムです。このホテルからは見えません。残念です。ここからみえるのは、「ライザッ○」の看板です。なんとか「黒部ダム」が見えないもんかと背伸びしてみましたが、やはり見えません。山ばっかりと「ライザッ○」の看板です。まあ、とにかくいい景色です。それは間違いありません。

さて、それはさておき。今回の「他人の顔を貸せ」ですが、ここにきてもう誰の顔を貸してもらえばいいのかさっぱりわからなくなってしまいました。やれ「ジョニーディップいいかも」とか、「いやいやトムかなあ」とか、「ジャスティンなんかもいいかもね。あ、沢田研二!ジュリーいい!」なんて思ってみましたが、そんなVIP な方の顔を借りるのは色々と問題があるようです。そりゃそうだ。ならばどうすればいいのか?

もう少し「原点」に返るべきだと考えたのです。俺の「原点」とはなんだ?と。「原点」だよ。「減点」ではないよ。「原典」でもないからね。とまた「転々」と意味なく迷走し、ちょっと待てと。「原点」といえば「父親」?ではないのか?と思ったのです。俺を育ててくれた「父」こそが俺の「原点」ではないのか??と。お待たせいたしました。第五回「他人の・顔を貸せ」はこの方。私の父「オオホリミツオ」です。(写真右参照)今年83歳。以前は「建具屋(たてぐや)」の職人でした。何度も死に掛けてますが、今は元気です。この顔を手に入れてみたいと思います。

さてさて。この顔を手に入れたらまず思うのが「老けたなあ」。ということ。そして、電車に乗ってみたら、見知らぬ若者、又は、年齢不詳のおじさんに「どうぞお座りください」と言われるのかもしれません。しかし私は、決して座りません。「こう見えてもまだまだ若いのだよ」と言ってやります。

この顔の私は幼少の頃に「終戦」を向かえ、東京オリンピックに沸き立ち、日本改造論で道路や新幹線があっちこっちで出来上がり、バブルがあってなんやかんやで時は過ぎ、信じられない震災がやってくる。そんな激動の日本の流れとは関係なく、「戸」や「ふすま」をコツコツと作ってきました。

そんな私の目には、どんどん新しくなっていく街並みが、「味気ないもの」に見えます。「味」がないのです。「しょっぱい」とか「甘い」とか「辛い」とかまったくない。無味無臭。この街には「匂い」が無くなってしまったようです。「あの頃のあの匂い」はなんだか「人が生きる希望の匂い」であったように思います。まあ、今でももちろん希望はあるのでしょうが。希望の意味が違ってしまったのかもしれません。うまく言えないです。もうこんな時間です。薬を飲まなくてはなりません。そろそろ家に帰りたいと思います。太った母ちゃんが家で味噌汁つくって待ってますから。さようなら。・・・・。

さてさて。私の父「オオホリミツオ」の顔を貸して頂きました。
今年の年末は実家に帰ろうかと思います。
9 月15 日 富山のホテルでパンツを洗いました
大堀こういち

突然ですが、今回どうしても皆さんに宣伝したいモノがあります。
それは「おならカルタ」です。仙台で活動してる私の友人松村氏が、私財を投じ、一年という製作期間を経て、ここに完成いたしました。「おならカルタ」です。「おならにまつわるカルタ」です。このカルタをすれば「おなら」がしたくなるのは当然ですが、なにしろ「おなら」が愛おしくさえ思えてくること間違いないでしょう。皆様。どうぞ。買ってください。そして、「してください。」おならを。でないと松村さんは大変なことになるそうです。その松村氏よりお手紙を頂きました。

onara『仙台の松村と申します。『おならカルタ』というカルタを作りました。絵札は全て、「長尾謙一郎」氏 による描き下ろしイラスト
です。10 月中旬からWEB で販売予定です。『おならカルタ』で検索よろしくお願いいたします。』
おならカルタ 2017 © 絵:長尾 謙一郎/企画・
読み札:松村 洋


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大堀こういち(おおほり こういち)

宮城県出身。五月舎養成所卒業後、劇団健康(現ナイロン100℃)に旗揚げより参加し、92年に脱退。「フォークシンガー小象(しょうぞう)」というキャラクターで音楽活動と並行し舞台演出も行う等、精力的に活動。
主な出演作に、テレビ大河ドラマ『真田丸』、『黒い十人の女』、CM『ダイハツ企業~できる娘~編』、映画『ヒズミ』、『夢売るふたり』、『ライク・サムワン・イン・ラブ』、舞台『男子はだまってなさいよ!』、『天才バカボン』、こまつ座『十一ぴきの猫』、2.5次元シアター『學蘭歌劇~帝一の國』、グローブ座『市場三郎、温泉宿の恋』、明治座『TARO URASHIMA』など。


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