A to Z / しりあがり寿

❶「言論の自由」
「言論の自由」は1972 年のRC のデビューアルバム「初期のRC サクセション」の中の曲。ハードフォーク!すごい社会派!でもその後RC はロックバンドに変身。そしてお馴染みタイマーズで再び社会的反抗心に満ちたメッセージ。うーん振り返ってみるとキヨシローは決して時代にあってたわけじゃないよなー。「言論の自由」の時、すでに社会的なメッセージは流行ってなさそうだし、ロックバンドの頃も時代はニューウェーブだった(男のお化粧は流行ってたかも)。そしてタイマーズの頃…レコード会社の声や時代の空気と違うことをする。そこにはリスクがある。でもそのリスクを冒しても守りたかったもの、それがまさに「言論の自由」だったかもしれない。キヨシロー的にいえば「言いてぇことは言うぜ」だ。キヨシローはこの自由を自分の実績やキャラクターや音楽を使って守ってたんだろうな。でもそんなキヨシローはもういない。ぼくたちもさしあたり、自分の「言論の自由」くらいは自分で守らないとなー、などと考えてしまう。
❷同じ人のライブをほとんど行かないボクが5 回も6 回もライブに行ったのはRC だけでした。なんなんだろう?あの楽しさ、大勢で盛り上がることや、大声で「愛しあってるかい」などと叫ぶことや、ストレートに「平和」や社会問題を歌うのも、みんなみんなボクが一番苦手としてたことでした。でもキヨシローだけはそれをやっても許せた。カッコよかった…いつか本人にお会いできる日を夢みてたけど…残念!いできる日を夢みてたけど…残念!

dic_129_h1 掲載号 #129
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フリーダム・ディクショナリー
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