LOVE SONG は感性のレッスン
“童貞時代に好きになったラブソングをどうしても私は超えられない”
今号の鼎談での発言に茂木健一郎さんの cool な一喝が “それは感性のレッスンです”だった。
16 歳で虜になった大人の恋愛映画「男と女」によって私の感性のレッスンも始まったのだ。
原題「Un homme et une femme」は、1966 年制作のフランス映画。監督クロード・ルルーシュ、音楽、フランシス・レイ。1960 年代のモダンなカルチャーを象徴する黄金のコンビが放つ恋愛映画の金字塔なのだ。
さらに、この映画が普遍で歴史に残る理由のひとつに、名作映画がすべからくそうであるように主題歌が時代を超え今も恋する恋人たちを魅了することにある。重ねて言うなら何を隠そう世界を席巻する寸前の最新音楽でもあった、
あの「Bossa Nova」音楽をこの映画は見事なセンスで取り入れている。そう、その仕掛け人こそ誰あろう、日本人女性を妻に迎えた才人、当時最も前衛的なインディ・レーベル『サラヴァ』の主宰者、ピエール・バルーその人であった。
さらに、さらに、この映画には、フランス風恋愛の哲学がサウンド・トラックの中にしっかり潜んでいるのです。
その歌詞をcutup!「泥沼の自由か、鳥かごの幸福か、それは愛が決めること。二人は過去を引きずり、心は闇に閉ざされる。
でも疑いは消えた。愛は 私たちよりも強い。望みも、あきらめも、愛のなすがまま 運命に任せよう。
あなたに身を寄せると 時が神秘の衣をまとう 夜風が甘く香る
愛は私たちよりも強い 人は悩むなという 愛に苦しむなと 愛の行方は何処 愛は私たちよりも強い…」
奇跡の恋愛映画「男と女」には 60 年代のモダンなエッセンスが宝石箱のように散りばめられているのであった。
さて、私のラブ・ソングはこの曲。 Samba Sarabvah / Pierre Barouh
https://www.youtube.com/watch?v=BPv7OjDep1c
桑原茂→