dictionaryバックナンバー展が銀座の本屋、 EDIT TOKYOからはじまりました。そして全国へ。EDIT TOKYO B&B

design : Yuuki Ikegami <www.designbyyukemi.com>

“ 東京を編集する”がコンセプトの書店、本屋EDIT TOKYO

下北沢の本屋さん、B&B が銀座ソニービルにつくった、本屋EDITTOKYO が3 月に閉店しました。博報堂ケトル代表、嶋浩一郎さんとブックコーディネーター、内沼晋太郎さんの共同経営で、ビールが飲める本屋さんB&B を作ったのが2012 年。ビールだけでなく、作家や編集者などが毎日トークイベントをするのが特長で、今や下北沢にはなくてはならない本屋さんとなっています。そんなB&B がソニービル閉館前の5 か月間、期間限定で昨年11 月にオープンしたのが本屋EDIT TOKYO です。コンセプトは“ 東京を編集する”。

“ 東京を編集する”を体現した本棚とイベント

店内には東京に関連する本を500 冊、23 区別にセレクトし壁一面に並べたコーナーがあり、例えば、港区のところには100 年前の青山が舞台の小説『楡家の人々』(北杜夫)があったり、世田谷区のところにはフィッシュマンズの音楽本があったり、東京全体の本としてアラーキーの『東京は、秋』があったりと幅広いジャンルの本が置かれ、様々な角度から東京を再考出来る本棚となっていました。

そしてイベントの方では、本や雑誌などの紙媒体はもちろんWeb や広告系の編集者まで、出版社や会社の大小を問わず、100 人、平日毎晩呼んで行われ、『ぴあ』の矢内廣さんや『relax』の岡本仁さん、そしてこの『dictionary』桑原茂一さんなどが登場し、2020 年を目前にした東京と、東京で編集される本、雑誌、Web メディアなどの過去、現在、そして未来、を考える場となっていました。銀座という立地と期間限定ということを逆手に取った挑戦的で「お祭り」のような本屋。その5 か月間の営業を終え、店という空間はなくなりましたが、東京本500 冊、そして編集者イベントで話されたことなどが、訪れた人たちの記憶に残り、語り継がれ、未来の東京、これからの編集をつくる一部になっていくのではないでしょうか。

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イベントが盛りだくさんの本屋さんでしたが、ベースであり核となるのはB&B のこれまでの蓄積から厳選した幅広いジャンルの7000 冊の本。

編集者100 人が選んだ東京本3 冊

編集者100 人のイベントに出演された編集者の方に聞いたおすすめの東京本。
最も名前が挙がった本ベスト3 はこの3 冊!
・『アースダイバー』中沢新一(講談社)
・『ずばり東京』開高健(光文社)
・『硝子戸の中』夏目漱石(新潮社)

印象に残った編集者イベント3 選

すべてのイベントに立ち会ったという本屋EDIT TOKYO、生江店長に聞いた、印象に残ったイベント3 選!
・小林弘人× 嶋浩一郎「編集者が考えるAIに負けない情報発信・収集・編集」
・後藤繁雄× 三原寛子× 内沼晋太郎「スーパースクールの20 年 編集は教えられるか?」
・山崎春美× 近藤十四郎× 野々村文宏× 羽良多平吉「山崎春美と『Jam』『HEAVEN』の時代」

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東京本500 冊の棚。中央区、港区、文京区など23 区別に小説やエッセイ、評論、写真集までが並んだ東京を体現したような本棚。

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トークイベントに出演した編集者100 人とゲストの作家、クリエイターらによるメッセージとサイン。


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〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-12-4 第2 マツヤビル2F
TEL: 03-6450-8272 FAX: 020-4664-162
http://bookandbeer.com/


3月、本屋EDIT TOKYO での桑原茂一さんのトークイベントを記念してdictionary のバックナンバー展が開催されました。DJ、クラブカルチャーを紹介する場がなかったから、その場となるメディアを作ったというdictionary。創刊号から一貫して音楽だけに限らず、桑原さんが面白いと思う「もの・人・場」などを紹介し続けてきたdictionary は、様々なコンテンツがキュレーションされることが当たり前になった今、そのセンスの早さが際立ちます。坂本龍一、中西俊夫、立花ハジメ、高木完、藤原ヒロシ、いとうせいこう、信藤三雄、奈良美智、しりあがり寿、バナナマン、竹中直人、内田也哉子、山形浩生、渡辺京二、茂木健一郎…dictionary に登場、またはデザインなどの誌面作りで関わった人を何人か挙げるだけでも、この豪華さ。デザインにおいても常に革新を繰り返し続けており、その時々のカルチャーから、原発、戦争、環境問題などの社会問題までをdictionary 的センスで取り上げた表紙、そして、判型もアメリカのカルチャー誌からの影響を感じさせる創刊当時のタブロイド判をはじめ、雑誌サイズ、辞書サイズ、CD サイズなどの変遷を繰り返すなどフリーペーパーとは思えないほど贅沢で遊び心にあふれたエディトリアルデザインも魅力です。そんなdictionary のバックナンバーを振り返る展示。(展示されたバックナンバーはすべて購入可!)古書マニア垂涎の初期の貴重な号から最新号まで、桑原さんがバックナンバーを大放出した、30 年近いdictionaryの歴史を一望できる、大きな刺激を受けること必至な展示でした。

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(左)貴重な創刊号から最新号までdictionary の30 年近い歴史を一気に見渡せる展示。桑原茂一さんのプロデュース作品やレアな私物なども。
(右)常に時代の先を行くテーマと人、デザインが現れた表紙。

3 月20 日(月)、本屋EDIT TOKYO で、「未来を祈るカウンターメディア”free paper dictionary” の軌跡」と題して、桑原茂一さんのトークイベントが行われました。対談相手は、『ピッカピッカの一年生』や『セブンイレブンいい気分』などの伝説的キャッチコピーを生み出した桑原さんの盟友、杉山恒太郎さん。司会は創刊号からdictionary を追い続けて来たという博報堂ケトルの嶋浩一郎さん。終始、リラックスした雰囲気の中でdictionary のこれまでとこれからが語られたイベントでした。

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本屋EDIT TOKYO イベントスペースでの桑原茂一さんのトークイベントの様子

▶ dictionary 全国巡回展のお知らせ

本屋EDIT TOKYO での桑原茂一さんのトークイベントがきっかけで行われたdictionary バックナンバー展は4 月以降、全国へ展開します。
・東京:B&B
・京都:ホホホ座
・大阪:スタンダードブックストア心斎橋
※ この他、新潟や福岡でも開催予定です。
※ dictionary バックナンバーはすべて購入可能です。
※ 開催時期など詳細は各ショップのHP・SNS をご確認ください。


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