ヴィンセント博士の ロマンティック物理学vol.8

Writting / ヴィンセント博士 @VINCENT_R_P (Twitter)
これはいわゆるアインシュタイン以降の物理学ではない。というかそんなハイレベルな知識は必要ない。僕らはこの世界を五感によって認識あるいは観測していて、特に目に見えるものばかりを前提とした社会で、今日もウダウダ生きている。しかし、この世界や宇宙には目に見えないもののほうが圧倒的に多いのだ。重力だって、音楽だって、感情だってそうだろ?偉い学者の理論や数式はわからなくてもいい。ただ「目には見えないかそけきものたちが、確かに在る」という視点で、この現実を甘美に観測すること。-それが、「ロマンティック物理学」である。

Vol:08 ヒモとエモ part3

この世界はどうやってつくられたんだろう?何で出来ているんだろう?なんてことは誰もが一度は考えたと思う。物理的に言えば、この世界を構成する物質の最小単位は?ということになる。はい、おなじみの素粒子。原子よりもさらに小さい、あらゆる物質の元になっている粒がある…まあ、そりゃあ、あるでしょう。イケメンだろうが、おブスだろうが、同じ素粒子の集まりでしかない。僕も、あなたも、トランプ大統領も…同じ素粒子の集まり。でも…愛せないものは愛せないんだよね…。同じ粒のはずなのに。

でも、実はその一番小さな物質は「粒」ではなくて、さらにもっともっと超小さな「ヒモ状のなにか」ではないか?そのほうが色々と説明がついてしまう…ということで生まれたのが、そう「超ヒモ理論」。例え、ちゃんと働いて家族を養っている男だろうと、全ての男はヒモなのだ。みんながみんな、ヒモで出来ている。もし、あなたがお世辞を言わなきゃいけない相手がいたとして、その人のどこをどう探しても全く褒める所が見当たらない場合…「すごくいいヒモしてますね〜」とか、「◯◯さんのヒモはかなりエモいですぞ!」などの量子論的褒め言葉をおススメする。

この「超ヒモ理論」の何が素敵かって、この宇宙は小さな弦のようなものが振動して出来ているってところなんだ。え?よくわかんない?このロマンティック物理学では何度も言っていることだけども…つまり、宇宙はいわば“音楽で出来ている”ってことだよ。僕らが目で視ているものは音の波形であり、耳で聴いているものは音色で、手で触れている全ては、音の振動…すごく簡単に言えばそういうことになる。ヒモというより、弦のようなものが振動して様々な形や動きを構成している…それがこの宇宙の正体かもしれない…どんな発想だよ!!と思ったりもしたけれど、僕はこの理論をはじめて知ったとき、宇宙全体が壮大なオーケストラのように思えて感動したもんだ。

極端なことを言えば、その小さな何かが“粒”だろうが“ヒモ”だろうが関係ない。僕ら個人の意識や存在を超えて、極めて幽玄的な何かが絶えずふるまっていることを想像してみて欲しい。なぜ、その小さなものたちは動いてるのだろう?なぜ、こんな宇宙を構成したのだろう?…そしてなぜ僕は超お金持ちでハリウッドスターではないのだろうか?そこのヒモ!今すぐ!ちょっとこの現実をつくりかえてくれないだろうか…?そんな僕の願望は置いといて…。この「超ヒモ理論」のいうとおり、この宇宙はスーパー・ストリングスに溢れている…と思いきや、実は隙間だらけでスッカスカなんだよ。自分でインフルエンサーとか言っている女子の頭くらいスッカスカ。仏教で言う「空」の状態。驚きなことにこの世はほとんど空っぽなんだ。素粒子の集まりである僕らだって、実際は隙間だらけなんだよ。空っぽのはずの僕らが人やモノと触れ合えるのは、素粒子が常に動きまわって、その隙間を埋めているからなんだよね。その素粒子の正体こそがヒモならぬエモ=「感情」なんじゃないかと僕は考えているんだ。

「感情」がニンゲンだけのものだという思い込みがあると、この考え方は難しいかもしれない。もちろん、今の技術ではA.Iだってまだまだ計算機械的だしね。「感情」を持っているとは言えない。でも、ニンゲンだって、水素や炭素で出来たコンピューターみたいなものだ。そのうち、ニンゲンとAIの区別はつかなくなる。そしてVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術はより高解像度かつ触感的になり、デバイスやディスプレイが不要になる。今目の前にいるニンゲンが、ホログラムで合成されたA.Iのニンゲンなのか?自分と同じニンゲンなのか?…アレ?自分はニンゲンなのか?ホログラムA.Iなのか?分からなくなるかもしれない。
…そうして唯一残る“リアル”が、その世界を観測する自分の「感情」だけになる。その時、宇宙は「感情」というエネルギーを持った物質で構成されていて、全ての「感情」が音楽のように響いて世界↘を形づくっている…とわかるのかもしれない。

これを君という一人のニンゲンの単位で考えてみよう。君自身も無数のヒモと振動の集まりで構成されている。それらは君の脳というハードディスクの中にある「意識」が動かしているよね?その「意識」には「潜在意識」と「顕在意識」があることはフロイトが発見したけど、どちらにも共通して作用している本質的なエネルギーは…「感情」でしょ?ニンゲンて、「意識」はコントロールできるけど、実は根本的には「感情」をコントロール出来ているわけではないよね。例えば、クソみたいな相手にだって、表面的には笑顔を見せられても、「Fuck!」と思う本質的な「感情」の発生は誰も止めることが出来ない。コントロール出来るのは、あくまでも表に出す「表情」でしかないはずだ。やはり「感情」がニンゲン活動にとっても全てのはじまりではないだろうか。

ちなみに、「感情」という超自然的なエネルギーが、ニンゲンの身体器官を通して変化したのが「欲求」だ。中学2年生男子の独特の感情(性的な)から生まれる欲求(性的な)に匹敵するフォースを持ったものは、この銀河系には存在しない…という仮説も加えておきたい。

いうことで、「超ヒモ理論」ならぬ「超エモ理論」はここまで。これは、何の根拠も無い理論なので信じるか信じないかは、あなたのエモ−ションにお任せします!!


フリーダム・ディクショナリー
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