他人の・顔を貸せ 最終回
2018 年。
皆さまいかがお過ごしでしたか?もうそろそろ今年も終わろうとしております。
そして、この「他人の・顔を貸せ」もなんと最終回となりました。え?本当ですか?はい。本当です。
2年前から突然この不思議なコラムともなんとも言えないものが始まりまして、すっかり締め切りを忘れて慌てる事が幾度もあって、山もなければ谷も無く、川は流れて海へと続き雲も流れてなんとやら。なんじゃそりゃ?そう!ただ自分の思いのオモムクママに書かせて頂きました。「ありがとうございました。」
しかし
オモムクママとは言いながら、少しだけの決まりごとはありました。「とにかく何も無いもの」を書こうと。だってねえ。どこもかしこも「得する情報」「意味ある情報」ばかりの世の中でございます。「意味の無いもの0 点の世界」を目指してもいいじゃないか?と開き直ってのことでした。
おかげ様で、ボンヤリばかりするようになりました。書こうとするとボンヤリしてしまうのです。小首を傾げ頬杖をついて。気づいたら5分ぐらい全く動かずボンヤリしてたりするから恐ろしいです。
それと、不思議が続いていくのですが、このコラムを書き出してから何故か。「オナラ」がやたらと出るようになりました。読み返してみると、頻繁に「オナラ」が出現しますが、今でも、「オナラ」は止まりません。舞台の稽古中ですが、オナラばかりしております。困ったものです。
さて。皆さまいかがお過ごしですか?最終回です。
最後の「他人の・顔を貸せ」はこの人から始まったので、この人で終わろうと思いました。そう!
「フォークシンガー小象」です。
一番身近に居ながら一番分からない人です。彼は一体何を考えているのでしょうか?何を感じているのでしょうか?何を見ているのでしょうか?何を話したいのでしょうか?全くわかりません。そう。全くです。
***フォークシンガー小象の顔を借りる***
『皆さん。お久しぶりです。フォークシンガー小象です。小象と書いて「しょうぞう」と読みます。覚えてますか?覚えてないですか?じゃあ今覚えてくださいね。フォークシンガーの「フォークシンガー小象」ですからね。
よく間違われるのは「フォークシンガー」の小象さんです!という紹介ですね。違いますからね。先ほども言いましたが、フォークシンガーの「フォークシンガー小象」と申します。「フォークシンガーこぞう」と呼ぶ方もおりますが、それも間違いです。「小象」と書いて「しょうぞう」ですからね。どうか。どうか。お間違いのないようお願い致します。
今年は、小象にとって激動の年でした。
なんと、2018 年5 月にビクターさんよりメジャーデビューをしたのでした。やった!やりましたよ!
1970 年代の取りこぼしフォークシンガー。時代からこぼれ、世間からこぼれ、音楽シーンからこぼれて、こぼれこぼれて40数年?
やっとここまで来たのです。誰も待っていなかったメジャーデビュー。でも、俺だけは待っていたメジャー
デビュー。
6 月には満員御礼のメジャー記念ライブ!みんなに祝福されて上機嫌。忘れられない最高のライブでした。浮かれ浮かれて小躍りの毎日でした。
「愛ってなんですか?」と歌う私なのにお客様の「愛」を感じていたのです。
「愛」って素晴らしい!「愛」って永遠だ!
と。
こっぱずかしいなんて言ってられません
「Love&Peace」なんです。
「ラブアンドピース」なんです!
「愛と平和」なんです!
「愛と誠」の西城秀樹が天国にいってしまったんです。早乙女愛もいってしまったんです。
あああ。もう何を言いたいのか分からなくなってしまいました。
天よ!私の所業を許したまえ!これが、最終回なのか?と自問しております。でもいいんです。
これが、今の私の0 点の世界なんです。いつかまた、どこかでお会いしましょう。フォークシンガー小象のライブに遊びに来てください。お待ちしております。チャオ。 』
****大堀こういちに戻ります。***
いかがでした?
フォークシンガー小象の事を全く分からない私が、顔を借りたことで、益々、小象のことが分からなくなりました。
ですが、一部の人々が噂しているのを聞きました「大堀こういちがフォークシンガー小象というのは皆んな知っている」と。
根も葉もない噂ですが、あながち嘘でもないかもしれませんね。真相を知りたければ、WEB でお調べください。
さて。2019 年はどんな年になるのでしょうか?
皆様にとって、ホントにホントに良い年になることを200 円のコーヒーを飲みながら、お祈りしておきます!
じゃ!また!
今日のお昼は天ぷらそばの大堀こういちでした!
《完》
大堀こういち(おおほり こういち)
宮城県出身。五月舎養成所卒業後、劇団健康(現ナイロン100℃)に旗揚げより参加し、92年に脱退。「フォークシンガー小象(しょうぞう)」というキャラクターで音楽活動と並行し舞台演出も行う等、精力的に活動。
主な出演作に、テレビ大河ドラマ『真田丸』、『黒い十人の女』、CM『ダイハツ企業~できる娘~編』、映画『ヒズミ』、『夢売るふたり』、『ライク・サムワン・イン・ラブ』、舞台『男子はだまってなさいよ!』、『天才バカボン』、こまつ座『十一ぴきの猫』、2.5次元シアター『學蘭歌劇~帝一の國』、グローブ座『市場三郎、温泉宿の恋』、明治座『TARO URASHIMA』など。