他人の・顔を貸せ 第6回
すっかり冬ですね。小ちゃい秋すらなかった。小さい秋、小さい秋、小さい秋、見つかりませんでした。そんな2017。小池旋風もすっかりシボみました。皆さん、いかがお過ごしですか?今日も「日が昇り」「日が沈み」朝ごはんを食べたり食べなかったり昼ごはんを食べたり食べなかったり、夜ごはんは、酒を飲んだり飲まなかったり。泣いたり、笑ったり、怒ったり、妬んだり、屁こいたりしながら、月日は流れました。
皆さん、いかがお過ごしですか?
私はなんとか元気です。今、渋谷に居ます。渋谷でこれを書いてます。街には、マリオカートが走り、スクランブル交差点には、外国の人がスマホで写真撮りまくり、眼帯した女の子がうずくまり、顔中にピアスの男は舌を出し、モデルのような美人が腰をフリフリ歩いてて、たまに見かけるお年寄りは今にも杖が折れそうです。
そんな風景を眺めながら、劇場に入りお芝居をさせて頂いております。渋谷シアターコクーンにて『24番地の桜の園』という作品です。今年はこれが、最後の舞台です。素敵は作品に参加できて本当に有り難いです。
そんな作品に出演しながらも、屁ばかりこいてる私ですが、さて。
今回はそろそろ女の人の顔をかしてもらいたいなと思いました。そこで、私の大好きな女優さんの顔を貸していただきましょうではでは、第六回『他人の・顔を貸せ』は女優『池谷のぶえ』さんです。今回の『24番地の桜の園』で共演させて頂いております。彼女の魅力は、骨太でいて繊細。大胆でありながら気遣いの人。舞台上で誰よりも安定して存在する女優さんです。この顔を手に入れてみましょう。
『私は今、楽屋の鏡の前に座っている。そう。ここが私の場所。お化粧をしながらふと考える。「今日夕飯は何がいいかしら。」お肉?ちょっとキツイかな。お魚?まあいいかも。焼き鳥で一杯っていうのもいいわね。ふと、台本をめくると、そこに「人はなんのために生きるのか?」と誰かのセリフが目に入る。「なんのために生きるのか?」考えたこともなかったわ。
「なんのために生きるのか?」
そうね。私は、私のために生きていきたいわ。「なんのために食べるのか?」「なんのために笑うのか?」「なんのために怒るのか?」「なんのために落ち込むのか?」「なんのためにお金が欲しいのか?」「なんのためになんのためになんのために」
えええい。どうでもいいわ。そんなことより、今日の夕飯は焼き鳥に生ビールにしよっと。さてと、そろそろ開演時間。行ってきます。』
今回は、私の大好きな女優さん『池谷のぶえさん』でした。これは、あくまで、私、大堀こういちが「他人の顔をお借りして私の思いをつらつらと書いてるものです。どうぞお間違いなく。」
2017。そろそろ終わりそうです。
皆さん、いかがお過ごしですか?
大堀こういち
池谷のぶえ 出演情報
ジョンソン&ジャクソン 新作公演
作・演出:ジョンソン&ジャクソン(大倉孝二・ブルー&スカイ)
2018年6,7月 CBGKシブゲキ!!
ほか、予定
詳細→http://cubeinc.co.jp/news/#24
大堀こういち(おおほり こういち)
宮城県出身。五月舎養成所卒業後、劇団健康(現ナイロン100℃)に旗揚げより参加し、92年に脱退。「フォークシンガー小象(しょうぞう)」というキャラクターで音楽活動と並行し舞台演出も行う等、精力的に活動。
主な出演作に、テレビ大河ドラマ『真田丸』、『黒い十人の女』、CM『ダイハツ企業~できる娘~編』、映画『ヒズミ』、『夢売るふたり』、『ライク・サムワン・イン・ラブ』、舞台『男子はだまってなさいよ!』、『天才バカボン』、こまつ座『十一ぴきの猫』、2.5次元シアター『學蘭歌劇~帝一の國』、グローブ座『市場三郎、温泉宿の恋』、明治座『TARO URASHIMA』など。