URBAN RESEARCH MEDIA column serial story LOOKBOOKCOOKRECORDS no57

Social life must stay online

今回のテーマは、 Stay at home now, everyone おうちカウチ映画紹介です。
Watch TV, drink lots of wine

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「ガリーボーイ」
http://achhaindia.blog.jp/archives/19923134.html

この映画の舞台はインドの西海岸の港町ム ンバイのスラム街。 実は旧ボンベイ時代に細野晴臣さんに 同行して頂き、ムンバイ(ボンベイ)に レコーディングに赴いたことがあった。 タイトルは「ピースオンアース」趣旨は クリスマスの期間ぐらいテレビを消して ピースフルな環境で生活しましょう的な 環境ビデオの制作の為だ。 なぜボンベイだったのか?

ストリングを多用したかったからだ。

元ネタはアメリカの50年代に一斉を風靡したマント・バーニー・オーケストラの ストリングを再現したい。で、予算的理由とインド映画の音楽はストリングスを多用している。で選んだのがムンバイ(ボンベイ)だった。
通算二回ボンベイに赴いて録音したが、 当初の録音予定数の三分の一でとどまった。理由はここでは話さない。インドの社会をもっと理解する必要があったと言っておこう。
良かったことは、インドの音楽家たちに 新しい風を感じてもらえたこと。
その後のそのスタジオで録音された作品に現れているそうです。

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で、今ボンベイはどうなっているのか?
ほぼ変わっていない。

が、ヒップホップの精神が宿る街になっていた。 意味は何もないところから
希望を生み出すこと。 その手法をヒップホップと呼ぶ。
なぜ紹介したいか? どん底で暮らす世界の若者に希望を与えた。 奇をてらった話しと残虐な描写で見るもの
をドラッグ漬けにするような下品な映画ではない。
コロナで不安な日々を過ごす私にはとても元気をもらった。

俳優さんたちも素直な演技で好感がもてた。 音楽の面白さはラジオアーバンリサーチで 聞いて欲しい。

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曲のリストは以下gully boyサウンドトラックより。
M-I Jeene Mein Aaye Maza / Ranveer Singh Ankur Tewari
M-2 Doori / Ranveer Singh & Alia Bhatt – Javed Akhtar
M-3 India 91 / Ranveer Singh & Alia Bhatt
M4 Kaam Bhaari/ Ranveer Singh
M-5 Kab se kab tak / kaam bhari ranveer Singh,alia bhatt & vibha saraf

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イングランド イズ マイン モリッシー
始まりの物語
https://www.youtube.com/watch?v=G8B0ODva6H4

少し前の映画だ。暗く重苦しいムードが全編に漂うが、ザ・スミスのファンにはたまらないだろう。

ザ・スミス(英:The Smiths)イギリスのロック/ボストパンクバンド。1982年、マンチェスターにて結成。インディーズ・レーベルの「ラフ・トレード」に所属し、4枚のスタジオ・アルバムを制作した後1987年9月に解散した。メンバーは労働者階級出身。

映画はその国の文化を肌で感じる喜びがある。

インド映画の「gully boy」でも、インドのスラム街で暮らす人々のある面が垣間見れるように、イギリスの労働者階級のある側面がよくわかる。映像も選曲もストーリーも楽しめました。選曲は同じくラジオ・アーバンリサーチで。

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フォードvsフェラーリ
FORD vs FERRARI / Official Trailer 2
https://youtu.be/I3h9Z89U9ZA

60年代が最高の時代だと思う私には映画 のサウンドトラックに即ハマった。 クルマが命なんて時代、私にはよく分かる。 友人のオンボロレースにもフジ・ハイウェイにも 東京の墓地下から軽沢までレースする大学 生たちのことも、男が命を賭けるレーサー に憧れた時代があった。

高橋幸宏さんが80回以上観た映画 「男と女」主役のジャン=ルイ・トランティニャン (Jean-Louis Trintignant)が、 カーレーサーで命を賭ける仕事でなかった ら私たちたちは、そこまでムキにならなかっ たかも。 60年代の男の憧れは 恋愛には命のやりとりが必要だったのだ。

もちろん選曲はラジオ・アーバンリサーチで。

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で、映画はこのくらいにして。

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シリーズものでピカイチはウォッチメン(HBO)
https://www.youtube.com/watch?v=zymgtV99Rko

どうしたらこんな面白い作品が作れるのだろうか。
脚本の素晴らしさに毎回唸った。
しばらくはソファから立ち上がれなかった。
で、少し調べて見ると脚本家のセリフにハッとする。
脚本家のデイモンは、こう主張する。
これは、「ノスタルジア」に浸りがちな現代ポップカルチャーへのアンチテーゼでもある。
この20年間、我々の文化の中で、我々は自分たちが愛したものを、懐かしさゆえに、再びリメイクや続編などで手がけてしまう傾向にあり、その傾向に不満を持っていても、何度も見ている状態にある。同じ話を繰り返しているだけなんだ。

そのような悪い傾向を断つためには、そんな懐かしいストーリーに、オリジナルの物語を展開させる手段しかないと、僕は思っている。
当時の原作コミックがリアルタイムで描きあげた「核戦争の不安」を現代に置き換えている。「もしこの番組の設定を2019年にするとしたら、何が政治的な不安を支配しているのか?今、この国(米国)でアメリカ人でいることとは、どういうことなのか?ドラマの起点となるのは、1921年に実際に起こったアメリカ史上最悪の暴動、「タルサ人種暴動」だ。

彼は人種間の緊張を題材に選んだ。
面白いだけで何も残らない作品がほとんどの中で、この作品は貴重だ。
映像も演出も信じられないほど考え抜かれている。
ここまで優れた作品を作るには強い意志を持ったプロが集合しなければ、制作はおぼつかないだろう。プロを本気にするには作品のテーマがまず優れていること、同時に観客にその重要なテーマをエンターテイメントで伝える技術があること。その技術を活かす予算があること。この辺りの問題をクリアーする新たな挑戦がNETFLIXを初めとする新たな映像配信システムが生まれたことにある。

つまり

Social life must stay online

すべてはこのフレーズに集約される。こうした時代の到来を予測したスマートな
人々が、起こした社会革命であり、同時にクリエイティブの可能性を無限大に高めた、日々の技術革新の為せる成功である。60年代ならカーレースに命を燃やしたように、人類がこの地球で生きるには命を燃やすしかない。その炎は生み出す負の面が、

Now we’ve got covid -19

ではないか?人類の未来はこの清濁併せ吞むクレバーな智恵を必要としているのだ。そう、この地球上にこの問題から逃げる場所はどこにもない。骨と骨を打ちつけ炎を発見した生命体の宿命である。

画像・文 桑原茂→

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