free paper dictionary #179 編集後記

photo collage: moichi kuwahara design: nozomi uchiyama

木に習う

松の木のたたずまいはどうだろう。耳を澄まして何かに聞き入っているかのようだ。モミの木はどうだろう。まんじりともせず何かを待っているかのようだ。この木々たちは、少しもあせってはいない。慌てず、いらだたず、わめかず、静けさの中にあり、じっとしていて、忍耐強い。わたしたちもまた、このような松の木とモミの木の態度に見習うべきではないだろうか。
「漂泊者とその影」( 223 ニーチェの言葉 )より

この一本の木は、まるで森のようだ。そんな荘厳な木の存在を沖縄の友人に教えられた。沖縄の人は、じっとしていて、忍耐強い。沖縄に魅せられ、学ばせてもらっている。沖縄の未来こそが、日本の未来を左右する。かもと。政治家の、のたもう、アジアへのハブの役割も肝要であろうが、未来の人の精神を支える心のハブではないかと感じ始めているのだ。沖縄は日本の中にある外国である。日本はアメリカの中にある外国である。外国に憧れる心はこの国の伝統かもしれない。

桑原 茂→

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