ヒロ杉山

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「ひこうき雲」 ヒロ杉山 選曲

とても悲しい詩の内容なのだけれど、どこか悲しさより懐かしさを感じてしまう曲である。
ユーミンの友人の死を歌った歌なのだろうか、「高いあの窓であの子は死ぬ前も空を見ていたの…」病院の窓から空を見ていたのだろうか、飛行機のように、鳥のように、空を自由に舞い上がっていきたかったのだろう。
そんな歌を聴きながらこの作品を制作した。
イブ・クラインの『サモトラケのニケ』の彫刻を、シルエット化した。
翼のはえた勝利の女神ニケが空から船のへさきへと降り立った様子を表現した彫像である。
彫刻には頭部と両腕は失われているが羽根が生えている。
この曲を聞いたときにこの彫刻を思い出した。
病に冒され自由の聞かない身体に羽が生えたら自由に空に舞い上がれる。
ヒロ杉山

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「ひこうき雲」 荒井由実

1973年11月5日に発売された2枚目のシングル 『きっと言える』のB面曲、 および同年11月20日 に発売された1枚目のアルバム『ひこうき雲』の1 曲目・表題曲として発表。

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ヒロ杉山 Hiro Sugiyama

東京生まれ。 湯村輝彦氏に師事。1989年に谷田一郎氏とともに 「近代芸術集団」 結成。 1997年にクリエイティブユニット 「エンライトメント」を結成。2000年村上隆のスーパーフラット展に参加。 現代美術の世界で国内外の展覧会にて作品を発表する。

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KLEIN WINGED VICTORY SCULPTURE
by HIRO SUGIYAMA

“Klein Winged Victory sculpture” (2024) 910mmx730mm, Oilstick on canvas ¥550,000+tax

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