ヴィンセント博士の ロマンティック物理学vol.14
第14回 続・我々八地球人ナノカ?
イーロン・マスクのスペースX社が主催する民間初の月周回旅行「dear Moon」プロジェクトに、ZOZOの前澤氏が搭乗するというニュースが話題になっている。 1968年にアポロ8号が月周回軌道に到達して50年。ようやく人類は再び(公式に)月とランデブーするんだ。ありあまる富と最先端のテクノロジー、そして数人の夢想家が集まると、こんな事は起きるのだろう。しかも、単なる月旅行ではなく数人の愛人…じゃなくてアーティストを搭乗させ、宇宙を舞台にした作品を生み出すという…。「人類が、月に再び行く」という事象をアートとして遺産化しようとしているんだね。ちなみに、1977年に地球を飛び立ったボイジャーには、世界中の言語や音楽を記録したレコードが積まれている。これは地球外生命に発見してもらう事を夢見たアイデアであり、“近代の”人類が地球外に向けて創造した初めてのアートだったと思う。そして、この度の「dear Moon」プロジェクトでは、月から地球の人類に向けたアートが生まれる事になるわけだ。
メディアでは誰が乗るか?という事ばかりが取り沙汰されているが、実は本質的にそこは重要じゃない。月までの距離は38万キロメートルだが、重要なのは移動距離の長さではない。地球という生息圈を飛び出し、ニングンという生命存在を地球外に“置きに行ぐ事にこそ意味があると僕は思う。地球という自分たちの棲家を、俯瞰で観るということ。このプロジェクトで生まれるアート作品が、人類の思考スケールを変えてくれるメッセージになるといい。そして、人種や国家間のスケールで争う我々を、地球人という存在として、あるいは宇宙の中の生物として…新たな認識に変えてくれるかもしれない。
やたら芸能人やモデルとヤりまくってモノ買いすぎな社長だと思っていたら…なんとも壮大でロマンティックじゃないだろうか。コトがあまりにスゴすぎて、なんかもう色々とどうでもよくなる。物事は別の大きなスケールの問題が加わる事で、相対的に小さくなるという事を明快に示している。紗栄子にも剛力にも全く嫉妬しなかったが、月を抱けるなんて…最高に嫉妬するぜ、前澤さん!!きっと成功して金もアホみたいに手にして、本能が解放されまくってるんだろうな…。
ひと昔前まで、ニングンの本能的な欲求といえばSEX-DRUG-ROCK’ N ROLL だった。今やSEX-ART-UN・ERSEですよ、世の中。そう…いい女がいたら抱きたいのも、最高のアートを創造したい・或いは鑑賞したいのも、宇宙に行きたいのも…ニングンの本質的な欲求。もう一度言おう(カタカナで)。セックス!アート!ユニバース!日本語にすると性交!芸術!宇宙!ヤバい。なんかキモチいい…!!さておき、どうやら、この3つには共通点があるように思えないだろうか?…どれも、本能的に「美しい」と感じるものじゃない?どうしようもなく、美しいと感じるからこそ触れたいし、体験したい。「もう、権力とか財力とかより…美しいもののほうが大事!」つていうね。何でも、自由に手に入れられるようになってしまった本能が求めたのが宇宙。真に美しいものに到達したいという欲求。これは前澤氏ひとりの欲求のようで、もしかしたら人類全体の欲求なんじゃないだろうか…?
例えば、誰かが、こんなことを考えたとする……‘世界を見渡せば、どうも地球にある多くの問題はあまり美しくない。政治家の顔も言動も振る舞いも醜い。そして、それらはどれだけ資本や権力を手にしても解決しそうにない。もしかしたら、地球はいずれ我々生命にとって最適な環境ではなくなる可能性もある。地球の外に、もっとよりよい美しい場所があるかもしれない…。”もし、そう考えたのが物理学者なら、宇宙を隅々まで観測して地図を広げるだろうし、実業家やエンジニアならそこに行く手段や道具を開発するだろう。そして、アーティストなら、当然そこに行って感じたものを表現するだろう。つまり、今まさにイーロンや前澤氏がやろうとしている事は、不確かな地球環境の未来に対する人類全体の生存戦略であるとも言えるよね。いまだ“地球人”の自覚が無い僕らが、今後も生存していくためには、地球そのものを「美しい・守るべき環境」だと感じる必要があるし、地球上だけの視点ではなく、宇宙から観た生命観が重要になる。だって、そうでもしないといつまでたっても戦争も差別もなくならないでしよ?地球から宇宙へ生命地図が更新され、ニングンの活動領域や思考のスケールが書き換わる時、「生命」の定義は再発明されるし、地球人という単位は小さくなっていくはず。そのころには、ヒースでビューティフルでセクシーな世界になってるといいんだけど…!(つづく)