free paper dictionary #174 編集後記 そこはかとない反戦選曲=憲法九条を慈しむ
ジョン・レノンの不朽の名曲「イマジン」を慈しむように、私は「そこはかとない反戦選曲」を始めた。その後、社会は次第に右傾化のBPM を早める中で、初代選曲家のミッションとしても書籍化の急務を自覚し多くのボランティアの協力「Peace Songs Book」は千冊の印刷物に化けた。
その316名が名を連ねた「そこはかとない反戦選曲」は、未だ微動だせずに私の書庫に静かに眠っている。さて、今年最初に発行するfree paper dictionary 174 号の編集後記で、もう一度、この責任を顧みることにした。問題は、そこはかとない。だ。その下手人を類語辞典で縛り上げてみた。すると次のようなうめき声が溢れ出すではないか。
うっすらとした ・ そこはかとない ・ 何となくの ・ どことない ・ ぼんやりした ・ ぼやけた ・ 薄ぼんやりの ・ 有るか無きかの ・ あるのかないのか分からないような ・ あるのかないのか分からないほどの ・ あるのかないのかはっきりしない程の ・ 鮮明でない ・ 明瞭でない ・ 不鮮明な ・不明確な ・ 隠微な ・ 不分明な ・ 微妙な ・ うっすらした ・ うっすらと感じる ・ かすかに感じる ・ 微かに感じる ・ ファジーな ・ 不明瞭な ・ぼけた ・ おぼろげな ・ おぼろげとした ・ おぼろげながら ・ ぼうっとした ・ ほんのりと ・ 微かに
う~ん、これって、まさに私たちの住む日本国のイメージではありませんか。一言で言えば存在感の欠けらもない国、実態のない国が日本だったのです。とくれば、そこに愛国心などあろうはずも、そこに暮らす人々に、誠の愛も真に生きる喜びも育つはずがありませんか?無い無い尽くしの日本。あるのは世界に誇る借金大国。そしていつ起こるとも知れない原発事故&自然災害への不安&恐怖。しかし実態のない国に危機感は生まれないのは歴史の通り。当然国民は戦争なんて起こるはずがないと頑なに信じています。たとえ起こってもアメリカが助けてくれる。その為に日米安保条約を結んでいる。つまり戦勝国アメリカに敗戦国日本は戦後71 年、これまで国民が一丸となって米国に貢いでいる現実。これは歴史を少し振り返るだけで子供にも分かる話。真の独立国を目指すにはエネルギーの自給自足が要と悪魔(■■)にそそのかされた原発アバウト55 基もその一つ。国の責任で始めた結果の事故にも、政府の見解は、資本主義の国は自己責任だから自分でバンバンしろ!しかも次々と起こる生活の基盤を失う規模の災害にも手を差し伸べるフリだけの国日本。一体そんな国をどこの国が信頼してくれるというのか?■■が攻めてこない保証はどこにあるんだ~。Wake up Japan !あれ?なんの話でしたか?そこはかとない。までは覚えているのですが、あっ、目が霞んできた、僕って、白内障なんですよね~
桑原 茂→