free paper dictionary #183 編集後記
今後、「貨幣」と「専門分化」と「国家」は三つ巴で衰退していくと考えられる。その先に、新しいかたちでの贈与経済・狩猟採集社会が待っているはずだ。
狩猟採集社会とは、支配者と被支配者に別れることなく、人々が対等に生きる社会であるが、いったん、不平等性を実現してしまった私たちの社会から、徐々に対等性に向けて変化していくとすれば、未来は初期においては平等ではないかもしれない。しかし、社会のマジョリティからさまざまな面において外れている人たちも、引け目に感じたり、恥じたりすることなく、対等に生きることは可能だ。(途中略)
バランスを崩したところでは、不幸が生じる。例えば、個人の万能性は、本来はコミュニティの中で助け合い(贈与)があって初めて成り立つ。何かができないことの理由を個人の能力に還元してはならない。
『信用の新世紀・ブロックチェーン後の未来』 斉藤賢爾著
更に、この著書の中で、バックミンスター・フラーの1963年の著書『宇宙船地球号操縦マニュアル』の以下を引用している。
『 コンピューター…の能力を借りて進められる、世界社会全体による人類の経済勘定システムの再構築と、その共有する富がもつ全可能性の成就こそ、この「宇宙船地球号」を人間がうまく操縦するために、なにをおいても真っ先にやらねばならない…』
ざっくり言えば、貨幣を必要としない社会とは、消費者がいなくなる世界のことだろう。その為に、人間に役立つAIの役割があると。つまり、フラーの言う、「物質・エネルギー」および「知識」を定量化し、その推移を追跡、分析することが、未来の新しいアカウンティングの姿であると。貴方は何者なのか?が問われる時代が来るという。それも急激な早さで、預金通帳の残高でしか人の優劣をしない社会に終わりが来る。当たり前の社会じゃないかとほざいてみたいが、苦笑いが精一杯だ。で、まずは未来に希望はある、と私は解釈した。希望の時代まで生きてその平等の社会の恩恵をこうむりたいが、間、せめて、サファーのように私も一生に一度ぐらいは、大きな、大きな、波乗りをしたいものだ。
画像・文:初代選曲家 桑原 茂→
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