Paint it Black Hiro Sugiyama
“SUNFLOWER #01” 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“SUNFLOWER #02” 2021, acrylic on canvas. 910 x 727mm
“SUNFLOWER #03” 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“TOILET” 2021, acrylic on canvas, 1303 x 970mm
“WOMAN WITH MAUVE HAT” 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“BANANA” 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“DOLLAR SIGNS” 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“UNTITLED(RORSCHACH SERIES #1) 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“UNTITLED(RORSCHACH SERIES #2)” 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“UNTITLED(RORSCHACH SERIES #3)” 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“SKULL WITH BURNING CIGARETTE” 2021, acrylic on canvas, 727 x 606mm
“BATMAN” 2021, acrylic on canvas, 727 x 606mm
“PRANKSTER” 2021, acrylic on canvas, 1303 x 970mm
“COWBOY” 2021, acrylic on canvas, 1303 x 970mm
“DOT” 2021, acrylic on canvas, 910 x 727mm
“HULK” 2021, acrylic on canvas, 1303 x 970mm
“MAN AND WOMAN ON THE TREE” 2021, acrylic on canvas, 1620 x 1303mm
“WOLF AND GIRL” 2021, acrylic on canvas, 1620 x 1303mm
東京が日本が世界がコロナによって、機能がストップした2020年。
非常事態宣言、仕事が止まり、人に会えなくなり、外食へも行けない、
映画もデパートも何もかもが止まった。初めての経験である。
しかし僕はこの2年間で4回の個展を開催し、
1200点のドローイングを収録した作品集を制作し出版した。
世の中の現状とは、逆行して、僕の制作は勢いがついた。
アーティストは、世の中が例えどんなに大変な状況になろうとも、経済が止まろうとも
絵を描くこと、自分の作品を制作することは止めてはいけないと考えた。
いやむしろこの状況を、不謹慎な言い方かもしれないが楽しまなければいけないと感じていた。
そして時間の大切さがはっきりと見えてきた。
2020年7月の個展“PAINT IT BLACK” では、色をいっさい使わず
黒い絵の具だけで表現した「ブラックシリーズ」を発表した。
黒だけで描くというと、ネガティブなイメージが先行し、
コロナ禍の状況が、制作のメンタルに影響が出たように思われるかもしれないが、
決してそんなことはなかった。
むしろ自分の中では黒い絵の具だけでどこまで表現できるか?
という前向きな新しい挑戦だった。
そう、このコロナ禍の状況で、何か新しい表現への新しい挑戦がしたかったのである。
そういう意味では、コロナ禍のこの状況がネガティブではなく、
ポジティブな作用をもたらしてくれたことになる。
まだ数年は、コロナと生きていかなければならないだろう、
いやもうコロナ前の生活には戻れないのかもしれない。
でも、コロナのお陰で、本当の時間の使い方、
本当に大切なものがしっかりと見えてきた。
残りの人生をより楽しむ方法がわかってきた気がする。
“BLACK FLOWER” 2021, acrylic on canvas, 1303 x 970mm