奢侈の耳 職人とは何か?開化堂は未来を研磨する。
ご覧の茶筒は、創業明治八年京都「開化堂」の茶筒 「取込盆用 120g」 (ブリキ)です。
開化堂六代目 八木 隆裕さんと遭遇した。
八木隆裕(やぎ・たかひろ)
1974年、京蔀集過程京都産業大学を卒業後、3年間の会社員生活を経て、2000年に家業を継ぐべく、父・八木聖二の下で修業をはじめる。新規の商材開発に加え。 海外向けの宣伝販売活動を積極 的に行う一方で、京都の若手職人とともに「GOON」プロジェクトにも参加
茶筒制作過程とは?
切断原:材料となる板を筒のサイズに合わせて切断する。一見するとシンプルだが、髪の毛一本分の誤差も許されない重要な工程だ。
たたき:板の切断面を金槌でたたき、なめらかなエッジに仕上げていく。リズミカルかつ均等にたたき上げていくのは至難の業。
丸め・クリップ留め:三本ロールという道具で一つひとつ丁寧に丸められた板を、茶筒づくりのためだけにつくられる手製のクリップで仮留めする。
溶剤:クリップで仮留めした板のつなぎ目に沿って、ハンダ付け用の溶剤を散布。
ハンダ付け:茶筒の直径や素材によってコテを使い分け、火に当てながらハンダ付けを行う。熱し過ぎると焦げるため時間と正確さが肝心だ。八木さんご自身で実演してくれた。まさに職人技。
底入れ:底にあたる部分の縁を木槌で一周、均等にたたいていく「底入れ」。開化堂の茶筒の特徴である気密性にかかわる重要な仕事だ。以上。
職人とは何か?開化堂は未来を研磨する。
八木 隆裕さんの魅力は職人としての技を持ちながら、起業家としても未来への布石が的確でスマートなところだろう。更に、その伝統技術を人々との信頼を深める精神的な道具としても活用していることだと思う。百年の計というが、百年後も使える茶筒の存在は、人生を計る止まることのない柱時計のようだとも思った。
上記の茶筒は「錻力」(ブリキ)の色変化です。
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