植田工
荒井由実 やさしさに包まれたなら
初めて買ったCDは小学五年生の時、映画「魔女の宅急便』のサウンドトラックでした。
映画のエンディングに流れてきた「やさしさに包まれたなら」、初めて聴く歌声の爽快感にすっかり心攫われてしまいました。この曲が「魔女の宅急便」の世界を全部包んでしまっているように感じました。
もともとは荒井由実の3rdシングルの曲だったそうですが、僕が初めて聴いたのは『MISSLIM』のアルバムバージョンで、不二家のキャラメル「ソフトエクレア」のCMに使われた曲だったとはだいぶ後で知りました。
松任谷さんと桑原さんと師匠の茂木先生とのお食事の席にご一緒させていただいた時に、宮崎監督にこの曲の寿命を伸ばしてもらったとおっしゃっていていましたが、僕は逆にこの曲が映画の寿命を伸ばしてくれているような感じがします。
ソフトエクレアを食べた記憶はないですが、いまも曲を聴いているとき「魔女の宅急便」のキャンディーを口の中で転がしてあの世界のあの頃の記憶を味わっている感じがします。
植田工
荒井由実 やさしさに包まれたなら
植田工 Takumi Ueda
1978年東京生まれ、東京芸術大学卒業。(株)オリエンタルランドを退職後、科学者・茂木一郎氏に師事しアーティストとしての活動を始める。2017年 2018年、池上高志+植田エ「マリア、人工生命、 魚」を トリエンナーレ、日本科学未来館に出展、2019年、シブヤアロープロジェクトの壁画を制作。
Born in 1978 in Tokyo. Graduated from Tokyo University of the Arts. After retiring from Oriental Land Co. Ltd..he studied under the scientist Ken -Ichiro Mogi and began working as an artist. Become a freelance in 2017. In 2018. Takashi Ikegami and Takumi Ueda’s collaboration art work “Maria. Artificial life. Membrane. Fish” was exhibited at Aomori Triennale and National Museum of Emerging Science and Innovation aka. Miralkan. In 2019, he drew a mural for the Shibuya Arrow project.
今回紹介した作家の作品はオンラインストアで販売中です
FREEDOM DICTIONAY #217は紙面版(¥1,000 税込)でご購入頂けます。